2014年10月2日

美少女に見送られながら展示室を後にしようと思ったのに鏡の中の自分に見送られてしまうがっかり感!

ごきげんよう。
トリメガ研究所研究員参号です。

静岡展解説シリーズ、とうとうフタケタ、最終10回目、今日はIII-5章です。

(解説パネル) III-5. エピローグ/見つめる少女

ということで、いままで画面の中の少女たちを(ふむふむほほぅ、とか言いながら)じろじろと不躾に眺めてきた私たち。今度は画面の中から見返す少女たちの視線にさらされようということになります。

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↑ 丸尾末広、山本タカト、イヂチアキコの諸作品。シャープで隙のない美少女に鋭く見つめ返される恐怖の壁面。ぞくぞくする感覚をあなたに。

 

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↑ 右は吉井忠、中央2点は椿貞雄という洋画家による昭和10年代の作品です。吉井作品のモデルは若干19歳の女優・薄田つま子。まさにクールビューティ。椿さんたちは画家の二人の娘さんです。
左端の作品については実に多くの方から「写真でしょう?」と訊かれましたがじつは油彩画。石黒賢一郎《真○○・マ○・イ○○○○○○》というちょっと変わったタイトル。奇妙なかたちの髪飾りや眼鏡は何かのキャラ設定でしょうか(……察してください)。コスプレイヤーのオフショットをふと覗き見たようななんともいえない罪悪感。少女絵画を凝視するということにまつわるはしたなさを自覚させられちゃいます。

 

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↑ こちらは加藤美佳《カナリヤ》。きわめて印象的な強いまなざしをもつ少女ですが、もともとは作者が作った人形とのこと。ギャラリーの作家解説によれば、加藤の制作はつぎのようなもの。

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オブジェを作り、写真撮影をし、それを地図のように足がかりにしながら、少しずつキャンバスに描き込むという作業によって、描かれる対象は単なるモノでは無く、魂を吹き込まれた普遍的な人間存在そのものへと塗り替えられて行きます。(http://www.tomiokoyamagallery.com/artists/kato/#fragment-11 より)
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「ひときわ力のこもったまなざしで見つめてくる少女、実はそのまなざしには主体がいない」ということで、なんとも落ち着かない気分になります。

 

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↑ そして展覧会最後の作品はこれ。谷口真人《Untitled》。前面にアクリル、内面に鏡を張った箱のような構造。アクリル面に描かれた絵の裏側が奥の鏡に映って像を結ぶという、アニメのセル画のような作りの作品です。

描かれた少女はこちらを見ていますが、それは鏡に映った幻像でしかなく、おまけに鏡の中にはなんだか冴えない中年男性が映りこんでしまうという(注:映り込む像には個人差があります)、シミジミしちゃうような作品……。

ということで、あらためて振り返ると、美少女静岡展は「視線」をテーマにお送りした展示だったといえそうです。

ともあれ、なんだかオチがついたところで〆ということで。

ごきげんよう。
ご縁がありましたらまたお会いしましょう!


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